耳が聞こえにくくなる原因
50代から60代後半になると「最近、耳が聞こえにくくなった」と気づく人が多くなります。
その主な原因は「老人性難聴」と言われるものですが、他にも耳が聞こえにくくなる原因には次のようなものがあります。
耳が聞こえにくくなる原因
- 耳垢
外耳道に耳垢がたまっていることにより、耳が詰まったような感じになり、音が聞こえにくくなることがあります。
耳垢は自然に耳の穴から外へと排出されるという自浄作用がありますが、まれに耳の構造や耳垢の性質により外耳道に詰まってしまうことがあります。
この場合、無理に耳垢を取ろうとすると周囲に傷をつける恐れがあるので、耳鼻科を受診し、吸引してもらうようにしましょう。
- 老人性難聴
50代や60代以上の方が、「耳の聞こえが悪くなった」と感じた場合の原因の多くはこの「老人性難聴」です。
老人性難聴は、音を感じる器官である内耳の感覚細胞の数が加齢とともに徐々に減少し、その結果聴力が衰えて来るのが原因で、最初は高い音域が聞き取りにくくなり、だんだん中音域、低音域へと広がってきます。
- 突発性難聴
中高年に多い難聴で、突然片方の耳に激しい耳鳴りと難聴が起こり、約半数が回転性のめまいを伴います。
金属音・電子音のような耳鳴りが特徴で、重症化すると耳がまったく聞こえなくなることもあります。
原因はウイルス感染や内耳の血液循環の障害が考えられています。突発性難聴は、発病してから一週間以内に治療を受ける必要があります。
- 内耳炎・中耳炎
インフルエンザや耳下腺炎(おたふく風邪)などのウイルスや細菌に感染することによって、内耳や中耳に炎症が起き、耳が聞こえにくくなるもので、めまいを伴うこともあります。
中耳に膿がたまる中耳炎は、耳の強い痛みと発熱、そして難聴を伴います。治療は主にステロイド薬など薬物療法が行われます。
- 鼓膜の異常
耳を何かにぶつけたり、耳かきで突いた後などに、急に聞こえが悪くなることがあります。このような場合は、鼓膜を損傷している可能性があるため、早急に耳鼻咽喉科を受診して検査をする必要があります。
また、鼓膜に炎症が起こる鼓膜炎でも難聴が起こることがあります。
- 聴神経腫瘍
内耳から脳に連なる聴神経に良性の腫瘍ができて、神経や血管を圧迫するため、難聴がおこることがあります。
初期の頃は耳がふさがれたような感じがする耳閉閉塞が起き、その後耳鳴りやめまい、難聴などの症状が現れてきます。
- メニエール病
メニエール病は、自分や周囲がぐるぐる回る激しいめまいと、片方の耳にだけ起きる耳鳴り、難聴の3つが同時に起こります。
難聴はとくに低い音が聞き取りにくくなるという特徴があります。
- 薬剤性難聴
他の病気の治療に用いた薬剤の副作用で難聴が起こることがあります。薬により、内耳の感覚細胞に障害が発生するためと言われています。
難聴を引き起こす原因となる主な薬剤には、抗生剤(ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシンなど)、利尿薬(フロセミド)、抗がん薬(シスプラチン)などがあります。
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