シニアに多い老人性難聴

シニアに多い老人性難聴は、主に50代から60代で自覚する人が多く、65歳以上では4人に1人が悩まされています。
老人性難聴は加齢による聴覚機能の衰えが主な原因ですが、中には80歳を過ぎても聴力が低下しない人もいます。


老人性難聴とは?

老人性難聴は、耳の機能の老化によるもので、主に50代から60代で自覚する人が多く、一般的に「耳が遠くなった」という言い方をします。

初期には高音域の聴力低下が見られ、徐々に中音域、低音域へと聴力が低下して行き、会話をする場合にも不便を感じるようになります。

しかし、老人性難聴の進行状況は非常に個人差が大きく、50代から補聴器が必要になる人もいる反面、80代を越えても殆ど聴力の低下がない人もいます。

老人性難聴の原因

老人性難聴は、聴覚機能全体の老化現象が原因となっておきます。

内耳の中にある感覚細胞には、音の大きさや音の高低を感じ取って神経に伝える感覚毛がありますが、加齢によりこの感覚毛の数は徐々に減少します。

また、内耳神経や脳の聴覚神経の細胞も減少するほか、脳への血液循環の衰えにより聴神経能力が低下するため、聞こえが悪くなります。

老人性難聴は、左右の聴力が同じ程度に低下するのが特徴で、耳鳴りを伴うことも多く、高血圧や糖尿病などの生活習慣病があると内耳の血流が悪くなり、聴覚の老化にも影響を及ぼします。

老人性難聴を遅らせるには

老人性難聴は、老化現象のひとつであるため防ぐことは難しく、また回復も難しいと言われていますが、日々の生活習慣に留意することにより、聴力の低下を予防したり進行を遅らせることはできます。

そのためには、耳を酷使し過ぎないように留意し、毎日軽い運動などをして全身の血液循環を良くしておくことが大切です。

耳の周囲のツボ押しなども有効です。また、高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を防ぐことも老人性難聴を悪化させないためには大切です。

老人性難聴を克服するには

老人性難聴を病院で治療する場合は主に薬物療法が行われ、ビタミン剤や血液循環促進剤、抗ヒスタミン剤などが処方されますが、完全に回復することは難しいのが現状です。

しかし、「耳が遠くなった」ことが原因で人との交流に消極的になり、閉じこもりがちになってしまうと、耳から入る情報が少なくなって脳への刺激が減り、脳の老化が進んでしまうというおそれがあります。

また、身体の他の器官と同様に聴力も使わないとどんどん退化してしまい、難聴の進行も早くなってしまいます。多少、耳が聞き取りにくくなっても積極的に音を聞くようにしましょう。(ただし、耳を疲れさせない程度にしてください。)

また、近くにいる人との会話にも不便を感じるようになったら、補聴器の利用も検討してみましょう。

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