PTSDの回復のために

大災害やその他の衝撃的な出来事が引き金となるPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、本人にとっても家族にとってもとてもつらいものです。
PTSDの回復のためには、時間はかかっても過去のトラウマ体験とじっくり向き合い、乗り越える必要があります。


自分でできる対処法

PTSDの回復のためには、普段の生活環境を変えてみるのもひとつの方法です。傷ついた心を癒すために、まずは自分でできる対処法を試してみてください。

  • 住む場所を変える
    衝撃的な出来事が何度もフラッシュバックする場合、思い切って住む場所を変えることにより、PTSDの回復が早くなります。新しい環境と新しい刺激が、トラウマ体験を過去の出来事として遠ざけてくれるからです。
  • 休養する
    身体が不調な時に休養するように、心が不調の時も休養することが大切です。ゆったりとお茶を飲んだり、音楽を聴いたり、好きな本を読んだりして、可能な限りリラックスした時間を持ちましょう。
  • 親しい人と話をする
    信頼できる家族や友人に直接会ったり、電話などで衝撃的な体験について話してみましょう。話している最中はつらいかもしれませんが、つらい出来事を心の奥に押し込めるより、誰かに話を聞いてもらって日向に出すほうが心の傷の回復は早くなります。
  • アルコールやたばこ、カフェインに依存しない
    つらい症状から逃れるために、アルコールやたばこ、カフェインなどに過度に依存してしまうのは危険です。
    一時的に忘れることができても、ネガティブな感情をさらに増幅してしまい、さらに体調を崩してしまう可能性もあるからです。
  • 楽しいことをする
    趣味に没頭したり、旅行に出かけたり、スポーツをしたり・・・と、楽しいと思えることをどんどんやるようにしてみましょう。
    心から楽しめない時期があっても、やがて時が経つとともに楽しめるようになります。


心理療法

あまりにも衝撃的な体験に遭遇し、身近な人に話をすることもできないという場合、心療内科や精神科で心理療法を受けるのもPTSDの回復に有効です。
心理療法はカウンセリングやセラピーなどの形で行われますが、過去のトラウマ体験にじっくりと向き合い、過去の出来事として消化できるようにします。
PTSDに睡眠障害やうつ症状が伴う場合は、平行して薬物療法が行われる場合もあります。


薬物療法

PTSDの苦しい症状を軽減するために行われるのが、薬物療法です。気分の落ち込みや衝動性が激しい場合は、脳内伝達物質のセロトニンを調節する作用のある治療薬が主に用いられます。
また、なかなか眠れなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまうという不眠症状が顕著な場合は、睡眠薬が処方されることもあります。

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