白髪はなぜ生えるのか

シニアの髪の毛の悩みで薄毛とともに多いのが「白髪」です。
最初は2本、3本と黒髪の中にあった白髪が次第に増えて行き、抜いても抜いても間に合わないので、ついに抜くのをあきらめてしまったという方も多いのではないでしょうか。
このようなシニアを悩ませる白髪は、なぜ生えるのでしょうか。


白髪のできるメカニズム

日本人の髪の毛の色は主に黒ですが、これはメラニン色素の色です。メラニン色素は、細胞を紫外線から守るために存在しています。

このメラニン色素には、黒または茶褐色の「ユーメラニン」と赤褐色または黄色の「フェオメラニン」の二種類があります。

このユーメラニンとフェオメラニンの働きによって、黒髪や金髪などの毛髪の色が決まります。しかし、この二種類のメラニン色素が完全に失われると白髪になるのです。

髪の毛は頭皮にある毛根で作られますが、最初は色がついていなくて全て透明です。
成長して生えてくる時に毛母細胞の周囲に存在している「メラノサイト」という色素細胞がメラニン色素を作り、髪の毛に色をつけて行くため、黒い髪となって生えてくるのです。

ところが、加齢に伴い身体全体の老化とともにこの色素細胞が弱って来たり、髪が抜けるときに一緒に抜け落ちてしまうことがあります。そうすると、髪の毛に色をつけるメラニン色素を作ることができず、白髪となって生えてくるのです。

黒髪の中に数本の白髪を見つけた時は、黒い髪がいきなり白く変化したものと思われがちですが、そうではなく髪の毛の発毛サイクルの中で白髪は発生しているのです。


白髪のできる原因

加齢による白髪の発生は避けられないとしても、その他にも次のような要因が白髪の発生を加速しています。

  • 頭皮の環境
    脂質やフケが多かったり、不潔にしておくなどの頭皮の環境により、白髪が増えることがあります。
  • 遺伝
    先祖や両親が白髪の場合、その子や孫も白髪になりやすいと言われます。遺伝による白髪は、20代や30代の若い時期から発生しやすいと言われていますが、どの程度関連があるかはまだ解明されていません。
  • 栄養不足
    頭皮や髪の毛に必要な栄養素が不足するとメラノサイトがメラニン色素を作り出す力が弱くなります。特にカルシウム・亜鉛・アミノ酸・銅などが不足すると、白髪の発生を加速します。
  • ストレス
    ストレスと白髪の発生には、密接な関係があります。ストレスにより身体のホルモンバランスが崩れたり、発毛サイクルが乱れて白髪の発生を加速します。強いストレスは、時には脱毛という現象も起こします。
  • 喫煙
    タバコを吸うと毛細血管が収縮するため、身体の隅々まで十分な酸素や栄養素が行き届かなくなります。頭皮に必要な栄養も十分に送られないため、白髪や薄毛の人はどんどん症状が加速することになります。
  • 病気
    慢性の胃腸疾患や甲状腺疾患などの病気がある場合や、薬の副作用、代謝障害などにより、白髪が増えることがあります。


白髪になる順番

白髪は髪の毛だけがなるのではなく、体毛の全てがなる可能性があり、その順番がほぼ決まっているそうです。
身体の中でまず最初に白髪になるのは、髪の毛ではなく鼻毛で、次に髪の毛、髭、体毛、眉毛の順番で白髪が発生します。

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