免疫細胞がガン細胞を抑える仕組み

正常な細胞には寿命があり、新しい細胞と生まれ変わります。しかし、ガン細胞には寿命というものがなく、どこまでも分裂・増殖します。
それがガン細胞の怖さでもありますが、私たちの体にはもともとガン細胞を撃退して、身を守る免疫システムが備わっています。


免疫システムがガンを抑える仕組みとは?

免疫システムが正常に作動していれば、毎日毎日体の中にガン細胞が生まれても、ガンを発症することはありません。

免疫細胞がガン細胞を抑える仕組みは次のようになっています。

  • 遺伝子の修復
    正常な細胞のDNA遺伝子が何らかの要因により傷ついたものが、ガン発生の始まりですが、この遺伝子情報が傷ついたまま細胞分裂を繰り返すと、ガン細胞へと変化してしまいます。
    これに対して、体の免疫システムは、「DNA修復酵素」 を出し、この傷を修復して健康な細胞に戻そうとします。
  • ガン細胞への攻撃
    DNA修復酵素によっても遺伝子の修復が追いつかなかった場合、細胞はガン化してしまい、このままでは命まで危険にさらされることになりますので、体の免疫システムは、ガン細胞への攻撃を開始します。
    この攻撃を担当するのは、NK細胞(ナチュラルキラー)やキラーT細胞などの免疫細胞です。
    特にNK細胞は、攻撃指令がないときでもがん細胞を攻撃します。
    やがて攻撃指令が出てB細胞やT細胞がガン細胞の攻撃を始めますが、NK細胞は引き続き活発にガン細胞を攻撃し、消滅させます。

現在、ガン治療の主流は、手術や抗がん剤治療、放射線治療などですが、免疫細胞の力を利用してガン細胞を消滅させようという「免疫療法」が新たな脚光を浴びています。

免疫療法は、人間が本来持っている自然治癒力によりガンを治すというもので、正常な細胞を傷つけることなく行え、抗がん剤や放射線のような副作用がない新しい治療法と言えます。

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