免疫とは何かについて知っておこう

免疫とは何かについて、ずいぶん昔、中学校か高校の授業で習った記憶があるけれど、はっきりと覚えてはいないというシニアの方は、もう一度免疫の正体について知っておきましょう。
免疫は、高齢化社会を元気に生きて行くために、とても重要なかかわりがあるからです。


免疫とは何か

免疫とは、その言葉通り「疫(病気)を免れる」ということで、免疫細胞の活躍により、さまざまな病気を予防したり、病気を回復させたりする働きのことです。

私たちの身体には、細菌やウィルスなどが外部から進入した来た時に、それを異物(抗原)として認識し、排除して身体を守ろうとする機能が備わっています。

また、一度病原菌に感染すると、次からは同じ病気にかかりにくくなりますが、それは免疫の働きにより、抗体が作られるからです。

このような外敵から身を守ろうとする生体防衛機能が「免疫システム」と言われるものです。この免疫システムがあるからこそ、私たちの健康は守られているのです。

免疫細胞と免疫システム

免疫細胞は、私たちの血液の中の白血球にあり、白血球のことを「免疫細胞」と呼ぶこともあります。
骨髄で作られる免疫細胞には、顆粒球、マクロファージ、リンパ球の3種類がありますが、それぞれ担当が決められています。

  • 顆粒球(好中球・好塩基球・好酸球)の役割
    白血球のうちの約60%を占める顆粒球は、常に体内を巡回し、主に細菌や雑菌、食中毒菌などと戦って退治します。
    この顆粒球の働きが弱いと、食中毒や結核、破傷風などを引き起こします。
  • マクロファージ(大食い細胞)の役割
    マクロファージは、白血球の中に約5%しか存在しませんが、「貪食細胞」とか「大食い細胞」などと呼ばれ、細菌や異物を貪食に殺傷するほか、外敵の発見をいちはやくリンパ球に知らせ、ヘルパーT細胞と共同して細胞間情報伝達物質であるサイトカインを放出します。
  • リンパ球(B細胞・T細胞・NK細胞)
    白血球の中の約35%を占めているリンパ球は、免疫系の中心的な役割を果たしています。B細胞は、ヘルパーT細胞の指令によって抗体を作り、その抗体によって異物を攻撃・破壊します。
    NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウィルスに感染した細胞やガン細胞を見つけ、直接攻撃して撃退します。
    このリンパ球の力が弱くなると、インフルエンザやエイズ、がんなどにかかりやすくなります。

このように、免疫細胞はそれぞれが連携して生体防御システムを構成して私たちの身体を守っています。

免疫細胞の働きがなければ、私たちは常に病に犯され、また回復に何年もかかることになるどころか、生きて行くことさえ、不可能かも知れません。

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