ストレスとガンの関係

過度なストレスは、シニアの健康にとってもさまざまな悪影響を及ぼしますが、ガン発生にも関係してきます。
ガンを予防するためには、ストレスを溜めないようにする必要があります。


ストレスがガンを引き起こす過程

(1)交感神経の興奮
少しくらいのストレスは、生体機能を活性化する働きがあるので、健康にも良いと言えますが、過度なストレスは生体機能の異常を引き起こします。
ストレスがかかると、自律神経のうちの交感神経という神経が興奮し、副腎皮質からステロイドホルモンが分泌されます。
その結果、免疫力を低下させてしまうのです。

(2)免疫力の低下
ストレスがかかると分泌される副腎皮質ホルモンは、もともとは抗ストレス作用がありますが、免疫細胞であるリンパ球はこのホルモンに弱いため死滅していきます。
また、ガン細胞の発生を抑えるために重要な働きをしている、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の働きも低下させてしまいます。
ストレスによって交感神経の緊張が持続すると、体の免疫力を低下させ、ガンに対する抵抗力も弱らせてしまうのです。

(3)活性酸素の増加
ストレスによる交感神経の緊張が続くと、体の中に活性酸素の量が増加します。
人間の体にはもともと活性酸素を増やさないための抗酸化力が備わっていますが、加齢とともにこの力は低下して行きます。

(4)ガン幹細胞の増殖からガン発生へ
活性酸素が増えすぎると、正常細胞の遺伝子を傷つけ、「ガン幹細胞」が作られます。
このガンのもとになるガン幹細胞は、分裂を繰り返して増殖して行き、ガン発生へとつながります。
ガン幹細胞がつくられても免疫力が正常に働いていればガンになることは防げますが、ストレスにより免疫力が低下していると、増殖を抑えることができなくなります。

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