老化の原因となる活性酸素

一般に老化は40歳前後から始まりますが、60歳ころになると多くの人が何らかの持病をかかえています。
「老化」はなぜ起こるのか、はっきりとは解明されていませんが、「活性酸素」が老化を促進する原因のひとつであることがわかっています。「体が錆びる」と良く言いますが、そのサビの原因が「活性酸素」です。

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あたかも鉄のくぎが錆びるように、あるいは皮をむいたりんごが茶色に変色して腐敗して行くように、体が錆びて行くのです。
いつまでも若々しくはつらつとしたシニアライフのためには、「活性酸素」の正体を知り、体の中に活性酸素を増やさないようにすることが大切です。


活性酸素とは何か?

生物は、酸素を使って体の中で栄養分を分解したりエネルギーを産出したりして生きています。酸素は生物にとってなくてはならないものです。

ところが、呼吸によって私たちの体の中に取り入れられた酸素は、エネルギーを作り出す代謝の過程で電子が欠け、不安定な状態になります。

不安定な状態になった酸素は、周囲にある電子を奪い取ることにより増えて行きます。
これが「活性酸素」と呼ばれるもので、周りの正常な細胞を傷つけ、ガンや心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病を引き起こしたり、シミやしわを作ります。

活性酸素は電子の欠け方によって、スーパーオキシドラジカル、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素の4種類に分類されていますが、体内では徐々に毒性の強いものへと変身して行きます。

この活性酸素は、どんな物質とでも非常に反応しやすく、細菌やかび、異物に反応して結合し、これらを破壊・殺菌してしまいます。
そのため、体内にウィルスや細菌が侵入して来た時に、ウィルスや細菌を攻撃し、体を守るという重要な働きも担っています。

しかし、体内で過剰になった活性酸素は、人体に恐ろしい害をもたらすことになります。活性酸素は直接ないし間接に全疾患の90%以上に関与していると言われてるほどです。

活性酸素と戦うスカベンジャー(抗酸化物質)

私たちの体は、この活性酸素の害に対して黙って見過ごしているわけではなく、活性酸素と戦うスカベンジャー(抗酸化物質)というものが存在しています。

スカベンジャーには、体内で作られるものと、体外から取り入れるものとがあります。
体内で作られるスカベンジャーは酵素の一種で、活性酸素と結びついて、害の少ない物質に変化させるという働きがあります。

代表的なものに、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)、カタラーゼ、グルタチオンがあります。

しかし、残念ながらこのスカベンジャーを体内で作る能力は20代をピークに加齢とともに低下し、40歳頃には急激に低下します。

そのため、私たちシニアが活性酸素の害を防ぐには食物として体外からスカベンジャーを取り入れる必要があります。

抗酸化物質と言われるものには、野菜などに含まれるビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、ビタミンB群などがあります。
また、赤ワインや黒豆に含まれるポリフェノールなどもすぐれた抗酸化物質です。

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