シニアにもうつ病が増えている

「心の風邪」とも言われるうつ病がシニア世代にも増えています。
シニア世代のうつ病はさまざまな喪失体験や更年期障害、血管性の病気によるものなどが多くなっています。

シニア世代のうつ病の原因と特徴

現在の日本では、人口の5%に相当する600万人の人がうつ病で苦しんでいると言われます。うつ病は全年齢層に見られますが、最近はシニア世代のうつ病も増えています。

気分が落ち込むことは誰にでもありますが、落ち込んだ状態が長く続き、日常生活にも支障をきたしてしまう状態を「うつ病」と言っています。

具体的には、意欲減退、無気力、無関心、無感動、食欲の減退、睡眠障害、憂うつ感、集中力の低下、判断力の低下、強い疲労感、などの症状が現れます。

シニア世代のうつ病の特徴は、さまざまな喪失体験が病気の引き金になるケースが多いことです。

定年を迎え退職すると同時に味わう役割喪失感、収入がなくなることへの不安、病気による健康の喪失、生きがいの喪失、そして家族や親しい人との死別などが、うつ病発症の契機になります。

また、女性では更年期を迎え、月経がなくなってしまう時に発症する「更年期うつ病」というものがあります。
更年期はホルモンのバランスが崩れることによりうつ病が発症しやすく、更年期障害の10%はうつ病であると言われています。

高齢者には、「血管性うつ病」というものが多くなっています。特に脳卒中を引き起こした後にうつ病になるケースが多く、時には小さな脳梗塞がうつ病の原因となることもあります。

また、持病があって色々な薬を常用している方は、薬の副作用でうつ病になることもあります。

現在、うつ病は特殊な病気ではなく、誰もがなる可能性のある病気と捉えられています。「うつ病かもしれない」と思ったら、まずはゆったりと休養しましょう。

改善しないようなら、精神科または心療内科などを受診しましょう。大部分のうつ病は、抗うつ薬や精神療法または両方の組合せによる治療で、つらい症状が軽減したり改善します。

スポンサーリンク